独立自営業者への忠告
著者の転職と会社を興したときの失敗談・成功談をストーリー風に述べられています。
これから独立・企業をお考えの方には、中高年のみではなく、あらゆる年代の方に非常に参考になると思います。
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「楽をしてもうけたい」と考えるなら、大手と提携するのが近道かも知れない。
いや、個人で始めた事業でも、「もうかりそうだ」ということがわかれば、大手の方で放ってはおかないのである。
そうなると以前の記事でとりあげた、スポンサー探しや資金調達は、ほとんど何の問題もなくなるであろう。
しかし、本当にそれでいいのだろうか?
事業の発展と安定のために、大手と提携すれば、その反面失うものも大きいのである。
そして、何のために、独立自営したのかわからなくなってしまうこともある。
だから、これは、本人の考え方次第なのだ。
そもそも、「なぜ、自分は独立自営の道を選んだのか?」を考え直してみることだ。
「安定収入が欲しい」というなら、転職の道を選べばよいのだし、あるいは、年金生活なり、自己資金の運用によって生計をまかなえばよいのである。
第二の人生で独立自営を考えるのは、そもそも、「自分のやりたかった事業を実現させ、自分の存在価値を世に問うてみたかった」からではないのか。
いや、必ずしもそうではない、という人もいるだろう。
「私は、お金もうけのために独立自営の道を選んだ」という人がいても、決して不思議ではない。
だから、同じ独立自営の道を選んでも個人、個人で、経営理念はみんなちがうはずである。
だからこそ、共同経営が難しいということもできるわけである。
いずれにしても、独立自営に当たっては、
経営理念を明確にすること
が前提となる。
もし、「独自の境地を開きたい」というのなら、小さくても、経営は苦しくても、大手との提携を考えるべきではないだろう。
また、「大手と提携する必要はない。自分だけで十分やって行ける」というのなら、これも、提携など考える必要はないだろう。
いや、この場合は、むしろ、「大手が手を出せないスキ間を狙う」というのが、経営理念であり、戦略となるのかも知れない。
私自身は、第二の人生における独立自営の事業のあり方は、そうだと考えている。
だから、前にもそのようにおすすめしたはずである。
しかし、やっぱり、「どうせやるなら、思い切って、大きくやりたい」という考え方もあることは否定しない。
ただし、その場合は、
・かなりの制約があること
・本来の経営理念もあきらめなければならない場合もあり得ること
を覚悟してかからなければならないだろう。
もう一つ、自営業者が覚悟しておくべきことがある。
それは、どういう形にせよ、幸い、事業を軌道に乗せることができ、利益をあげることができた、としよう。
そうなると、「税金」がついて回る。
日本の税制は、累進課税である。
会社がもうかればもうかるほど法人税として、また、個人所得がふえればふえるほど、多額の所得税を徴収される仕組になっている。
法人税にせよ所得税にせよ、何がしかの収入のあるところ、必ず税がついて回るのである。
特に所得税は収入がふえればふえるほど、多くなる。
「もうけたい、事業を拡大したい」と目の色をかえ、やっとそれが達成されたと思ったら、「何のことはない、税金のために働いているようなものだった」というのは、ある自営業者のため息まじりの述懐であった。
大手と提携したり、大口の得意先をもつことは、確かに、経営の安定をもたらす。
だが、それは、「勤め人以上に、特定の人々に頭が上がらず、神経をスリ減らすもと」になることも大いに考えられる。
「自由を求め、より大きな利益を求めて、独立自営に踏み切ったのに、こと志とちがって、不自由なこと、不愉快なことばかり」、ということにならないようにしたいものだ。
それには、コトを始める前に、もう一度、「自分は、どの道を選びたいのか」「何のために、独立自営の道を選んだのか」を考えてみることであろう。
そして、最後にもう一言。
経営者は、究極は「孤独」なのである。
得意先や同業者ともうまくやって行かなければならないが、同業者は、しょせんライバル、心の底から気を許すわけには行かないのだ。
大手の提携先や銀行は、ビジネスライクな付き合いしか期待できないだろう。
「頼りにできるのは自分だけ」と思うと、いい知れぬ孤独感をひしひしと感じることもあるにちがいない。
それだけに、損得ぬきで付き合える「仲間」や「家族」との信頼関係が大切なのだ。
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