公私混同も時には必要
団塊世代よ、老後を甘く見るな。
せまりくる絶望の老後を生きぬくには、横並びの意識を捨て、大切な自分のお金を守ること。
ファイナンシャル・プランナーとしての専門知識、各種サイトからの情報、また取材から得た知識を駆使し、データを添えて説く。
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公私混同をしてはいけない。
それに対して異論のある人はいないだろう。
しかし、例外のない規則はない。
全体の効率から考えたとき、時には公私を混同したほうがよいこともある。
例えば、独身または単身赴任のエグゼクティブが、執務時間中に、どうしてもしなくてはならない私用が生じた場合を考えてみる。
共働きでない配偶者でもいれば簡単にできることでも、自分がやるとなると、執務時間中に私用の電話をかけるか外出するかしなくてはならない。
それが秘書にでもできる簡単なことである場合は、秘書にやってもらったほうが全社的にみてプラスだ。
その間、エグゼクティブはビジネスに打ち込むことができるからである。
エグゼクティブと秘書との一時間当たりのコストを比較すれば、その差は数字の上に明確に表れてくる。
最近は、外国から多くのエグゼクティブや弁護士が日本に来ている。
アメリカの弁護士の場合は、法律業務の提供に対する報酬が、それぞれの弁護士によって一時間当たりいくらと決まっている。
外国の弁護士が自宅の電話に対する料金の請求書について疑問を抱いたとする。
自分の代わりに自分の秘書に疑問の解明をさせたほうが、事務所全体から見れば得であるのは明らかである。
誰にでもできるようなことを、私用だからといって忙しい執務時間中に自分でするのは馬鹿げている。
もちろん、事務所全体の効率だけから判断するのは危険である。
あまりにも私事にわたることを人に依頼するには限度がある。
例えば、洋服やシャツをクリーニングに出すのを秘書にやらせるのはゆきすぎだ。
秘書はビジネスに関してのボスの手伝いをするのであって、家事について手伝いをする使用人ではない。
このビジネスにおける従業員を、個人的な生活の場における使用人と誤解している人が、日本のオーナー社長やその親族に多く見られる。
従業員をそのように扱っていると、自分は待遇をよくして親切にしているつもりでも、飼い犬に手をかまれたと感じるような仕打ちを受ける結果になる。
それは従業員にとっては裏切りではなく、当然の行為なのである。
私事を依頼するときは、よく考えて、良識に基づいた判断のうえでしなくてはならない。
企業に限らずどんな組織でも、地位が上がれば上がるほど公と私との区別が暖味になってくる。
ビジネス上のつき合いも広がっていくので、現時点では全くビジネスの関係がない人たちとのつき合いまでも、その延長線上に現れる。
それに、将来を考えると、すべてビジネスの可能性を含んでいる。
昔からの親しい友人は、もともと「私」の世界に属するが、突如として「公」の世界に飛び込んでくる。
普通では入手できないような情報も友人のネットワークからは、電話一本で簡単にもらえる。
何度も頭を下げて依頼して初めてしてもらえる紹介も、苦労しないで即座にしてもらえる。
意思決定をする地位にある人にとって、友人はまさに大切な知的資産である。
ふだんからつき合い、気心も知れているから、「私」が「公」の場所で生きてくる。
これも立派な公私混同だ。
普通、公私混同というときは、公を私に利用することをいうから、友人の助けを借りる場合のように私を公に利用するのは「私公混同」と言ったほうが正確かもしれない。
このように、公と私を明確に区別して行動するのは至難の業である。
いわゆるビジネスライクな割り切ったやり方がビジネス社会では必要だといわれているが、これはあくまでもミドル・マネジメント以下の場での論理である。高次元のビジネスの場では必ずしも通用しない。
腹が太い人は、ただ度胸がよいから思いきった行動をしているのではない。
遠い将来を見つめ、大局的にものを見ることのできる人なのである。
欧米で勉強してきた人たちの中には、能率や効率がビジネスでは最重要と考えている人たちが多い。
欧米のうわっつらだけを見て、人々と深くつき合う余裕もなかった人たちだ。
ビジネスも人間のしていることである。
身も心もある人間の活動だ。
ビジネスとして割り切って考えていくのは、ある程度までだ。
時には人情も入り込んでくる。
ルールを破らなくてはならない場合も生じる。
ルールに従って行動するのは簡単である。
より高度な利益のために、低次元の場のために設定されているルールを破るのは高い識見があって初めてできることだ。
ルールは利用するためにあるのだから、それに振り回されてはならない。
他人に迷惑がかからず、公平さが保たれれば、ルールは常に改めていくべきである。
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