志は、再就職の強い動機になる
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率直にいいまして、中高年は、とかく行動するのにおっくうになりがちなのです。
見も知らぬ若者職場に腺病になることもあるでしょう。
それを打ち破り再就職へと具体的に行動するためには、何かの強い志が必要なのです。
その何かの志として、中高年文化を若者世代に伝えるという��志″を持ちなさいということなのです。
その��志″ですが、別に難しく考える必要はありません。
「ちょっと、若者に人との付き合いを教えてやろうか」「働きぶりを、若者に見せてやろうか」「病める若者を介護してやろうか」
そんな気持ちが、もう、ここで述べている中高年文化を若者世代に伝えるという��志″なのです。
私も、再就職して、職場で多くの中高年に会いましたが、皆さん、大体そんな気持ちで働きにきていました。
そして、その��志″を職場で若者に伝えるのに、学校のような、教科書があり講義もある座学は必要ありません。
ただ、中高年が若者と一緒になって働きさえすれば、もうそれでいいのです。
文化の伝承とは、そんなものではありませんか。
大航海時代、西洋人が西洋文化を東洋に伝えるのに、各地で座学を開いたなど、聞いたこともありません。
彼らが東洋にやってきて、もうそれだけで文化の伝承がはじまったのです。
中高年にとって再就職はものすごく厳しい、こちらが働きたいと思っても働きにいけないではないか、といわれる方もいるでしょう。
まわりは、文化が違う若者だらけ。
しかし、若者世代に自分の文化を伝えるという��志″を持って再就職した中高年には、まわりとの衝突はおこりません。
��伝える″とか��融合″という考えがあれば、それはまず相手の文化の存在を尊重することからはじまりますから、相手の文化にケチつけたり、腹を立てたり、破滅することはないからです。
いくら意識改革に成功し過去の成功体験(収入と仕事の質)をぬぐいさった中高年でも、長年の間にこびりついた残りカスが多少は残っているもので、��志″がないと、ささいなことで、そのカスが若者の文化により刺激されてしまうのです。
��志″さえあれば、若者が何といおうが、どんな態度をとろうが、それは自分の文化を伝えたり融合したりするための1つの文化としかうつりませんから、衝突など絶対におこらないのです。
おばあちゃんが、駄々をこね、わがまま一杯にふるまう孫を胸に抱き、さあこれから役に立っ昔話を聞かせてやろうか……、
��志″を持てば、若者世代にそんな気持ちになるものです。
��志″を持てば、職場環境の激変も気にならなくなる
「皆さんが我が社に就職されましたら、便所掃除をお願いするかもしれません」
これは、あるホテルのフロントマン応募の面接の時、若い支配人が、面接にやってきた中高年応募者を前にして、挨拶をした言葉の一部です。
挨拶が終わるや、半分以上の方が、プンプン怒って帰っていってしまいました。
「そんな仕事、バカバカしくてやっておれるか……」ということなのです。
そういう気持ちがおこるようでは、どこへいっても再就職は無理です。
便所の臭いが大嫌いという方はやむをえないにしても、フロントマンという仕事を考えたら、たまには便所掃除ぐらいはあるでしょう。
中高年になっても、仕事の質に目的や重点をおくようでは、再就職は困難です。
残った中高年は、職場は自分の��志″を実現する場所だ、という考えが強いものですから、職場環境が激変しようが、生理的に合わないとか体力的に無理だとかいう職場以外は、たいして気になりません。
だから、すぐに再就職できるのです。
会社での付き合いゴルフしかしたことのないような会社人間の中高年に、退職した後、一体何が残っているのか…、一体何を目標にくらすのか…、などという方がいます。
中高年には、まだちゃんと仕事が残っているのです。
再就職して、会社人間であり続けた中高年のみが持つ成熟した中高年文化を若者世代に伝えるという、最後の大仕事が残っているではありませんか。
明治維新によって、「士農工商」という身分制度はなくなり、特に武士は藤制廃止、徴兵制 誹の施行により、存在さえ消えてしまいました。
今の中高年の境遇は、当時の武士となんと似ていることか。
功なり名なりをとげ、肩書きや地位もあり、他人から尊敬されていたのに、突然仕事も何もかも失うという点で……。
能力のある武士はヘッドハンティングされ朝臣となり、特殊技能のある武士は、それを生かして、医者などに転職しました。
しかし、大勢の能力や特殊技能のない、つまりセールスポイントのないごく普通の武士は、チョンマゲを剃り落とし、刀を外し、羽織袴もぬぎ、仕事を求めて、違った文化の持ち主である「農工商」の中に溶け込んでいったのです。
ある者は無手勝流に、ただただ使われる身になって、ある者は資格を身に付け、それを武器として……。
当時の大勢の普通の武士は、実に偉大であったと思います。
肩書きや身分を捨て、文化がまるで違う農工商たちを恐れずに再就職していったのですから。
当然、武士の気持ちの中には、武士の持っている独特な文化を農工商に伝えようという志があったと思います。
その成果の一例が、武士道精神の影響を受けた、明治の経済人の「私利私欲を捨て、志を先行させる」という精神だと思います。
いうまでもなく、この精神こそ、明治の経済が大発展をとげる一因となったのです。
大勢の武士が仮に、「武士は喰わねど高楊枝」とばかりに隔離して大集団をつくり、農工商の中に溶け込んでいかなかったとしますと、決してあの素晴らしい明治の経済は生まれてこなかったのではないかと思います。
今の中高年も、新しい文化が職場に花咲くために、とにかく、武士のように志を持ち働きに出ることです。
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